先に結論: 全編を変換する前に、入力の全トラックを記録し、必要か判断できない音声・字幕も短いサンプルには残してください。出力のストリーム一覧と実際の再生結果を照合してから、本編を処理します。
この手順は、自作・許諾済みなど、利用中のツールで適法に読み取れる素材を対象にしています。コピー保護の回避手順は扱いません。ツール選びがまだなら、先にBlu-rayリッピングソフトの比較で出力形式と選択機能を確認してください。
1. 入力トラックを一覧にする
タイトルごとに、少なくとも次を記録します。
| 項目 | 記録する内容 | 確認が必要な場面 |
|---|---|---|
| 音声 | 言語、名称・用途、コーデック、チャンネル数、default | 本編、コメンタリー、別言語、音声解説を区別する |
| 字幕 | 言語、通常字幕か強制字幕か、形式、forced/default | 外国語の短い会話、看板、歌詞、SDH/CCの有無を確認する |
| タイトル | 長さ、チャプター、内容のメモ | 本編と特典、別編集版を取り違えない |
und や unknown と表示された言語は推測で捨てず、短い場面を再生して用途を書き足します。default/forcedの印はプレーヤーの選択に関わる情報として記録します。印だけで字幕の内容や表示範囲を判断せず、必要な場面を確認してください。
2. 音声は用途が分かるまで残す
MakeMKVの公式説明では、MKVは複数の音声・字幕とメタ情報を格納できます。ただし、容器に入れられることと、今回の設定で選ばれたこと、再生機器が扱えることは別問題です。
主音声、必要な別言語、コメンタリー、音声解説を個別に選びます。チャンネル数とコーデックも入力と出力で比較してください。HandBrakeの音声・字幕選択ルールは、プリセットが特定トラックそのものではなく選択ルールを保存すると説明しています。言語タグが不明だと規則に一致しない場合があり、passthroughが使えないとfallbackエンコーダーで再エンコードされます。この公式ページにはdraft表記があるため、実際の版の画面と結果を短いサンプルで確認します。
3. 字幕方式と容器を決める
HandBrakeの字幕資料によると、同ツールのMKV出力は複数のPGS字幕を保持できますが、MP4へPGSをそのまま渡せません。焼き込みは一つの字幕を映像へ固定し、後から消せません。このページもdraft表記なので、他のソフトへ一般化しないでください。
- 切り替え可能なPGSを複数残すなら、まずMKVの短いサンプルを試す。
- MP4が必要なら、目的のプレーヤーが受け付ける字幕方式を先に確認する。
- 常時表示が必要で切り替え不要な場合だけ、焼き込み候補を作る。
Foreign Audio Scanは補助機能です。強制字幕の検出を保証しないため、実際に字幕が必要な外国語会話を少なくとも一場面確認します。MP4の判断はMP4出力の比較手順も参照してください。
4. 出力メタデータを照合する
短いサンプルを作り、メディア情報ツールやプレーヤーの詳細画面で次を確認します。
- 必要な音声・字幕の本数が入力一覧と合う。
- 言語、名称、コーデック、チャンネル数が意図どおりである。
- 切り替え可能なトラックとして残す場合は、対応するdefault/forcedの印が意図どおりであり、想定した字幕の内容を含んでいる。
- 保持した音声と、切り替え可能にする予定の字幕を一つずつ選べる。焼き込み字幕は切り替えできない。
Plexの公式字幕設定では、自動選択は言語タグと字幕モードに依存し、unknown言語は優先言語と一致しません。forced印があっても、モードやクライアントを含めて確認が必要です。
5. 実際に使うクライアントで再生する
PCで一覧が正しくても、テレビアプリやモバイルアプリで同じ動作になるとは限りません。必要な場面が離れている場合は、複数の短いサンプルを作ります。普段使うクライアントで通常字幕、強制字幕が必要な場面、音声切替を確認し、全編処理後にも冒頭・記録した場面・終盤を再確認します。
Jellyfinの公式対応表は、直接再生が容器、映像、音声、字幕、クライアントの組み合わせで決まり、字幕によって変換や焼き込みが発生し得ると説明しています。PGSが必ず変換される、またはMKVなら必ず直接再生できるという意味ではありません。サーバーが変換する場合はPlex/Jellyfinの予期しない変換を切り分ける手順を使います。
問題が出たときの分岐
- 出力にトラックがない: 入力一覧と選択規則を比較し、短いサンプルを明示選択で作り直す。
- トラックはあるが自動選択されない: 言語、名称、default/forced、プレーヤーの言語設定を確認する。
- 字幕を選ぶと変換される: サーバーの変換理由を読み、字幕なし、別音声、別クライアントで一項目ずつ比較する。
- 字幕が表示されない: 音声・字幕が欠けるときの確認順序で、出力内の存在とクライアント対応を分けて調べる。
- 強制字幕が想定場面に出ない: forced印だけを信頼せず、正しいトラックか、実際に該当字幕が含まれるかを再確認する。
全編処理へ進む条件は、トラック数が合うことだけではありません。短いサンプルで必要な場面を再生し、日常利用するクライアントで必要な音声と字幕が意図どおりに使えた記録を残してください。元の読み取り可能な素材は、最終ファイルの確認が終わるまで保持します。